シンスプリント

シンスプリントの見立て方

シンスプリントとは下腿内側の痛みの障害名であり原因は様々です。脛骨骨膜の炎症や筋膜炎など原因によって対処の仕方が変わってきます。また脛骨内縁の疲労骨折との判別も重要になってきます。

 

●フォアフット接地によるシンスプリント
前足部すぎる接地によりフォアフットロッカー回転軸がMP関節(母指球)からIP関節(足指末端)にずれる事で、長指屈筋の遠心性収縮の負担が大きくなり長指屈筋のタイトネスを起こし脛骨内縁に近い場所に痛みが出ます。簡単に話すと足指末端に荷重しすぎる事が原因です。

 

●偏平足によるシンスプリント
足底の内側縦アーチが低下した状態を偏平足といいます。内側縦アーチが低下した状態では距骨が内旋し、距骨の動きに伴って下腿も内旋します。後脛骨筋が捻じれのストレスを受け伸張性の痛みが出る場合と、偏平足によって後脛骨筋のタイトネスが進み、足関節の内返しが出来ないなどの後脛骨筋の機能低下による痛みへと移行していく場合があります。脛の奥の方に痛みを感じます。

 

●ニーイントゥーアウトによるシンスプリント
偏平足の説明と同様に距骨が内旋することで下腿も内旋し膝は内側を向きます。それに補足すると距骨下関節が内旋するとショパール関節は外転、外旋するのでつま先は外を向きます。これがいわゆるニーイントゥーアウト(膝が内向き、つま先が外向き)の状態です。更に中殿筋など股関節外転筋群の機能低下や筋力不足が伴うとニーインが助長されます。これも下腿の捻じれのストレスによる痛みですが、この場合は脛骨へのストレスが強いのでこの状態のままランニングを続けていると疲労骨折を起こす場合があります。

 

●O脚によるシンスプリント
ニーイントゥーアウトとは逆になります。ニーアウトトゥーイン(膝が外向き、つま先が内向き)がいわゆるO脚の状態になりますが、この状態での接地は下肢の外側が張りやすくなります。外側から母指球に荷重を移動させ、蹴ろうとするとそこで捻じれが生まれます。その捻じれから起こる長拇指屈筋のタイトネスにより内くるぶしの後ろ側に痛みが出たり、後脛骨筋と癒着を起こして脛の奥に痛みが出る事があります。

 

 

●脛骨内縁疲労骨折  シンスプリントとの判別の仕方

判断材料 ・歩行時痛があるか? 
     (踵を着いた時の振動で痛み)


     ・患側片脚ホップジャンプが可能か?
     (痛みの有無ではなく、力が抜けて飛べない)


     ・2週間前と痛みが変わらないか?
     (ランニング中止してから時間経過による痛みの減少が全く無い)


     ・ヴァルガスストレステスト 
     (膝外側と足首内側の両端で荷重ストレスをかけ脛骨に痛みが出る)

 

病院によってはMRIにて脛骨骨髄内に高輝度信号を認める状態、(骨髄内の炎症)で疲労骨折と診断されているところもあります。
早期発見と言ってしまえばそれまでですが、折れていると診断された側の心理的ダメージは考えていません。
定義的には骨折とは言えない場合もあるので、気になる方はセカンドオピニオンをお勧めします。

https://mass4d.com/blogs/clinicians-blog/medial-tibial-stress-injuries

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